三島由紀夫、澁澤龍彦、寺山修司なども賛辞を寄せる、戦後最も影響力を持つ奇書。それを石ノ森章太郎がコミックとして完成させた『劇画家畜人ヤプー』が復刻版としてポット出版より3月18日に発売されることになった。 本書は1971年に都市出版社から、1983年に改訂を加えて辰巳出版から刊行された漫画『劇画家畜人ヤプー』を新たに復刻。今回の復刻に際して、丸尾末広(漫画家)による解説文を追加収録している。ここで描かれる夢幻的な世界にある細部にわたる奇妙なリアリティは、石ノ森氏の特徴的なキャラクター造形と筆致、そして原作同様に繰り返される事細やかな注釈により、小説とはまた異なるインパクトを増している。〈これは日本文化の解体、殺戮であろう──〉という丸尾氏の言葉にもあるように、残酷さと滑稽さの間を貫かれる強烈な刺激と、オリジナリティを持つ未来世界は、またしても疲弊する現在の日本社会とカルチャーへのカンフル剤