2008年の公務員制度改革で新設された「専門スタッフ職」への任命は不当な降格人事だとして、農林水産省のキャリア官僚の男性(57)が、国に任命取り消しなどを求める訴訟を起こしたことが分かった。 東京地裁で2日にあった第1回口頭弁論で、国側は男性の訴えを退けるよう求めた。 訴状によると、男性は1980年に入省し、本省の課長職などを歴任したが、2011年1月、専門スタッフ職の「情報分析官」への異動を命じられた。公務員の天下りへの批判を受けて導入されたポストで、定年まで働くことが可能な一方、職位や給与は課長級を下回るとされる。人事院によると、各省庁の専門スタッフ職は今年4月現在で197人。 男性は給与が約2割減ったといい、「事実上の降格は明らか。著しく不利益な処分で、違法な人事だ」と訴えている。