病気の妻を医者にみせず死亡させ、遺体を放置したとして、保護責任者遺棄致死と死体遺棄の罪に問われた元自衛官山本久被告(44)=兵庫県洲本市=の裁判員裁判が17日、徳島地裁で始まった。山本被告は広汎性発達障害と診断されたことが明らかにされ、検察、弁護側ともに被告の責任能力を認めた。その上で「障害が犯行に影響を与えた」とし、争点は実刑を科すか執行猶予を付けるかに絞られた。 (花房吾早子) 起訴状によると、山本被告は昨年3月、松茂町笹木野の自宅(当時)で、同居の妻(当時39)が病気で動けず食事を十分に取れない状態だと知りながら、医師の治療を受けさせないまま衰弱死させ、5月11日まで遺体をそのままにしたとされる。山本被告は起訴内容を認めた。 検察側は、精神鑑定の結果を証拠として提示。「善悪を判断する能力はほとんど失われていなかった」と責任能力があることを主張した。被告は広汎性発達障害の一つ「ア