「なんて不器用な子なんだ」 先生もサジを投げる落第生だった、フランスのシオンに住むマルセル・ベトリゼイ(Marcel Betrisey)君が、ガラクタの山で見つけた部品を甦生して、18カ月かけて組み立てた逸品の時計「L'Anchrone」です。 落ちる玉の重み。 それだけを頼りに振り子が時を刻みます。 マルセル君は、6段階評価の2.6という最低の成績で学校を退学になった人。今で言う非適応児ですね。居場所を失い、リュックひとつ担いで世界4大陸67カ国2万5000マイルをヒッチハイクして回ります。徒歩750マイル、自転車1800マイル、テントなし野宿300夜という長い長い放浪の旅です。 途中マラリアにかかったりしてホウホウの体で帰郷。電気通信会社で2年働いた後、電気修理のお店を出し、独立します。壊れたCDやDVDプレーヤーを直すのは楽しい仕事だったけど、何年か使うと壊れるよう予め設計されている