【合わせて読む】仮面から始まった、マスクの歴史 ――欧米ではマスク着用に反対する運動も盛んですが、日本ではそれほど抵抗感がないように思います。 マスクへの抵抗感や慣れは、国というか文化によって違います。顔・身体学での成果がSNSで大きな反響をよびましたが、絵文字の表情、感情は、日本では目で、欧米では口で表しています。 2018年の平昌冬季五輪で、チェコの女子スノーボード選手がスキーで思いがけず優勝した時、ノーメイクをサングラスで隠して記者会見に臨みました。新型コロナの流行前から、女性がノーメイクを隠すのに日本ではマスク、欧米ではサングラスを使ってきました。 ――なるほど。その差はどこから来ているのでしょうか。 私たちは、表情は普遍的なものと信じてきました。古くはダーウィンが表情は動物から進化して普遍であると言い、その流れをくみウソを見抜く表情分析で有名になったポール・エクマンという心理学者