日本は諸外国と比較して医療体制が脆弱であり、もともと医療崩壊を起こしやすい体質です。これは構造的な問題ですから、すぐに改善できるものではなく、今後も大きく変わらないと考えてよいでしょう。つまり私たちは、日本の医療は貧弱であることを前提に、対策を考える必要があるのです。 日本において容易に医療崩壊が発生してしまうのは、医療従事者の負荷が諸外国と比べて極めて大きく、非常時に多数の患者を受け入れることができないからです。以前もこのコラムで解説したことがありますが、OECD(経済協力開発機構)の調査によると、日本の医師や看護師が担当しなければならない患者数は欧米各国の3倍に達します。 【関連記事】 「医療崩壊」と「病院の経営難」が同時に起こるワケ。最悪の事態を避ける唯一の方法は>> 一部の論者が批判しているように、医療従事者や関係組織の中には、コロナ対応についてあまり積極的でないケースもあるかと思