著者はイタリアの研究者で、ヨーロッパの研究費に応募して、審査の最終段階まで行ったらしいのですが、研究費の審査員が「あなたの申請研究は興味深く、著者は論文もよく出しているし、研究計画も良く書けているけれども、申請は不採択です」という理由が、彼が「良い研究者」だけれども「傑出した研究者」ではないからということでした。最近はいつもこんな調子で研究費がはねられているようです。 もっともノーベル賞(医学・物理・化学)の選考理由となるような重要な論文でも、そのうち30%は研究費をもらっていないというデータもあるのだそうです(John P. A. Ioannidis in Nature 477,529–531 2011)から、驚くべきことでもないのかもしれません。 それよりも著者を落ち込ませたのは、ある大学院生に彼の研究室で博士課程の研究をやらないかと誘ったのを、そんなことをやっていても将来お金を稼げる