4月3日、世界最大の音楽ストリーミング配信サービス「Spotify(スポティファイ)」がニューヨーク証券取引所に上場した。ストリーミングによって、世界の音楽市場はどれだけ回復したのか? アーティストはビッグデータをどう活用しているのか? 『ヒットの崩壊』著者で音楽ジャーナリストの柴那典さんが考察する。 急成長を遂げる世界の音楽市場 今、世界全体の音楽市場が大きな成長を見せている。そして、日本だけがそこから取り残されている。 国際レコード産業連盟(IFPI)の発表によると、2017年のグローバルな音楽市場は前年に比べて8.1%増加し、約173億ドルとなった1。 2015年の3.2%増2、2016年の5.9%増3に続き、3年連続で市場が拡大。さらなる大幅増となり、過去10年で最高額を記録した。 この数字は、1999年以降落ち込みを続けてきた音楽市場が2014年を底に明らかな回復期に入ったことを
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