理不尽な上司、不毛な派閥争い、計画倒産する取引先、家族の不満。かつて"エリート集団"と崇められた銀行が、ここまで"ブラック"だったとは。世間の常識が通用しない実録『半沢直樹』の世界。 部下の手柄は上司のもの 「銀行マンにとって何より大事なのは組織内の序列です。最初の配属からその序列は決まっています。たとえば東京の日本橋支店だと同期内の序列はトップ10圏内ですが、評価が下位なら田舎の支店に配属される。だから序列を上げるのに必死で、とにかく長いものにからめ取られ、ガマンを競うのが銀行マンという生き物なのです」 大手金融機関や総合商社などを何社も渡り歩いた経験を持つ経済評論家の山崎元氏は、銀行マンの世界をこう評する。 そんな銀行を舞台に、上司にたてついてでも筋を通す型破りなヒーローを描いたドラマ『半沢直樹』(TBS系列・日曜21時~)が、評判を集めている。 バブル末期に入行し、20年ほど経った現