「奴隷の鎖」と呼ばれる太い鎖の左側の輪に男性の首が、右側の輪に女性の首が繋がれていた。 「俺は命がけで家族のためにやりたくもない仕事をして、家族を養うために金を稼いでいるんだ。お前なんか子供と家で寝ていればいいくせに。俺の方が大変なんだ」 と、首に輪を嵌めた左側の男性は、右側の女性に向かって叫んでいた。 「そうだそうだ。男は帰りたくても家に帰れない。嫌な上司や得意先に頭を下げて、くたくたに疲れて帰れば家でも子供の面倒を見ろと要求される。一体いつ休んだらいいんだ。子供を作らなくても人は生きて行けるが、金を稼ぐ人間がいなきゃ生きて行かれないくせに」 と、男性に味方するつもりで別の男性が彼を後ろから引っ張った。 鎖は男性達の方に引かれたが、輪っかを付けた男性の首がギリギリと絞まった。 「まったく最近の男は甘えてるな。大黒柱として一家を養うのが男の役目だというのに、嫁に働かせて恥じもしない甲斐性な