インターネット調査によると、「過去にダイエット経験がある」あるいは「現在ダイエットをしている」という人は全体の6割にも及び、女性ではそれが8割にも達するという。しかし、その成功率はわずか2割程度らしい。 このダイエットに関する統計を脳科学的に証明する研究が、学術誌『Cell Metabolism』の8月号に発表された。その研究によると、人間は食事を摂らないでいると、脳で空腹感を引き起こすニューロン(神経細胞)が、自分自身を食べることにより「空腹である」というシグナルを送り、食べるように催促するらしい。 細胞が自分自身を食べるプロセスは、オートファジー(自食作用)として知られる。今回、マウスを使った調査の焦点となったのは、人間の摂食行動、性行動、睡眠、感情などをつかさどる脳の「視床下部」にある、「アグーチ関連ペプチド(AgRP)ニューロン」という細胞だ。 人間が飢餓状態におちいると、AgRP