日頃はあまり見ることがない中国中央テレビ(CCTV)の中央版や地方版を見ているだけでも様々なことが見えてくる。例えば、6月4日は天安門事件の日だったが、それを放送していたCNNは突然ブラックアウトして見られなくなった。これが中国が言う報道の自由である。 また、尖閣問題に関しても、中央、地方を問わず、毎日専門的にかつ具体的に放送されていた。その内容の質に自衛官のOBの我々でも思わず感心させられた。 さて、本訪問の大きな特徴は、陸海空の部隊訪問と北京で行われた軍人同士の日中安全保障フォーラムである。海軍訪問については、上海の近くにある東海艦隊を希望したが、敵愾心旺盛で最後まで粘り強く調整したものの断られてしまった。主敵は日本と米国ということだろう。 しかし、安保フォーラムと八一大楼(日本の防衛省みたいなところ)での中央軍事委員会総政治部主任、李上将(大将)との会見は大変意義のあるものだった。