広大な国立公園を擁する米フロリダ州・エバーグレーズは、迫力あるワニの観察地として知られている。しかし、一帯に広がる湿原で最も危険な存在は、アリゲーターではなく、とある樹木なのかもしれない。 7歳男児の口内から526本の歯が摘出される この地に生えるマンチニールの樹は、一見どこにでもある果樹のようだ。樹高は数メートルから、大きなものでも15メートルほどだ。海岸や湿地帯などによく見られ、枝にはつややかな葉がよく繁る。小ぶりのスモモあるいはリンゴのような緑色の実をつけ、その甘く豊かな香りは食欲さえそそる。 しかしその実態は、致死性の毒をもつ危険な樹木となっている。樹液、果実、樹皮と、あらゆる部分が猛毒であり、古くは「小さな死のリンゴ」の異名で恐れられた。フロリダ州のフォックスニュース・タンパベイ局のリポーターは、「この樹の何もかもが有毒なのです。リンゴの実のように見える(果実の)部分だけでなく、