大仏造立を請け負う行基工務店(本社・奈良市)は9日、大仏の造立を一時休止すると発表した。相次ぐ災害で造立が追い付かず、十分な数が供給できないと判断した。新規受注も当面見合わせる。 大仏造立を専門に扱う同社では、奈良時代の創業以来、大仏鋳造を多く請け負ってきた。2010年、3Dプリンターを使った大仏プレハブ工法を開発し、工期の大幅短縮に成功。「奈良の大仏」として知られる奈良県奈良市の東大寺盧舎那仏像(るしゃなぶつぞう)は完成まで5年、延べ260万人、総工費約4千億円程度かかったとされているが、プレハブ工法の開発で完成まで8カ月、延べ50人、2千万円程度で造立できるようになった。 同社によると、6月に発生した大阪府北部地震をきっかけに、国家安寧を願った大仏造立の受注件数が増加。その後も西日本豪雨、夏の記録的酷暑、巨大台風、北海道地震など自然災害が頻発した結果、注文が殺到。これ以上は供給が間に合