私はいま、ほろよいの冷やしパインを飲みながら、泣いている。人生で初めて、「推しカプの本」を手に入れたからだ。 私が好きなカップリングは、公式で二言ぐらいしか会話していない。どうしてハマったの?と聞かれても、「ある朝起きたら突然……」としか答えようがない。公式からの燃料投下なんて端から期待していない、火の無いところに煙を立たせる営みだ。でも、公式では「二人が実は付き合っている」ってことを否定されてもいない。悪魔の証明だ。だからそれぞれのキャラクターの言動をいちいち真剣に(そして都合よく)解釈して、じゃあこの二人が二人っきりになったらどうなる?ってことを考え続けて、もう一年以上が経過している。 しかしそうやって一人で狂っているうちに、ありがたいことに、私は何人もの同士に出会うことができた。最初の転機は、「B受け合同誌」に私の好きな「A×B」を書いてくださっている方がいるという事実だった。会場に