経営再建中のルネサスエレクトロニクスに対して、再建策を提示していた米国の投資ファンド、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が支援を断念したことがわかった。これにより、官民投資ファンドの産業革新機構を軸とした救済の枠組みを、ルネサス側は受け入れる見通しだ。KKRは日本市場からも撤退する可能性が濃厚。ただ、KKRを含めて出資を計画していた複数の投資ファンド関係者は、「経産省に完全に当て馬にされた」と怒りが収まらない。 背景には、一体何があったのか? 「自社に影響が出る」と危機感を募らせたトヨタ 「そもそも話を持ちかけてきたのは経済産業省とトヨタ自動車だ」と投資ファンド関係者は憤る。 話は今夏にさかのぼる。ルネサスが金融機関からの融資確保に奔走する中、経産省とトヨタの関係者が複数の国内外のファンド関係者と接触していた。ルネサスの抜本的な再建策に向けた枠組みづくりのためだ。 ルネサスは東日本