(日記から再褐 http://nitino.g.hatena.ne.jp/nitino/20080730/p1)先日、太宰治の人間失格を読んだ。小学六年生に初めて読んで、ギャーまるで自分のようだと衝撃を受けて以来、数度読んだが、ここ十年は読んだ記憶が無かった。久しぶりに読んだらいくつかイライラとした。以前には無かった感覚だ。以前、何年か前は「全くその通りだ、辛い」だった。今は違う。文の方は変わりはしないので、私が、読み手の私が、どこかしらが大幅に変わった、と言うことだろう。最近、昔読んだ本を再読するたびにこう言う感覚に時々襲われていたが、思い入れがある人間失格を読んでそれをはっきり感じた。イライラ、の理由は「解るけれど、そして自分も以前はそう思っていたけど、実は違うのではないだろうか」だ。「多くの人間は解っていない」のではなく「多くの人間はそれでも別段かまいやしない」なのではないだろうか。