大阪や兵庫、京都など2府5県が設立を目指し、年内発足も視野に入った「関西広域連合」に、近畿で唯一、奈良県だけが参加を見合わせている。荒井正吾同県知事は「必要性を感じない。もめるだけ」と言い放ち、さらには100年前の廃藩置県や府県統合の話を引き合いに広域連合にくみしない理由を説く。奈良県が不参加を表明する真意はどこにあるのか。「弱小県」に不利…荒井知事は強気崩さず 関西広域連合は、府県を超えて防災や医療などに広域で対応する組織。東京一極集中に対抗し、大阪府の橋下徹知事が「霞が関が無視できないパワーになる」と語るなど都道府県による初の共同組織となる。2府5県は9月議会でそれぞれ設立規約案を提出し、実現に向かっている。 そんな地方行政の大改革に異論を唱えているのが荒井知事だ。奈良県内では「大きな発信力を持つ大阪の橋下氏に飲み込まれるだけ」と同調意見も多い。一方で「域内で孤立するのでは」との懸念も