次から次へと疑惑は尽きない。 日本大学医学部付属板橋病院(東京・板橋区)の建設工事をめぐる事件で、東京地検特捜部は7日、同大に2億2000万円の損害を与えたとして、背任容疑で日大理事の井ノ口忠男容疑者(64)と大阪市の医療法人「錦秀会」前理事長の籔本雅巳容疑者(61)を逮捕した。 日大背任事件で東京地検特捜部が田中英寿理事長を任意聴取していた 逮捕容疑は昨年2月中旬ごろ、板橋病院の建て替え工事の設計業務をめぐり、業者選定のためのプロポーザルで都内の設計会社が1位になるよう評価点を改ざん。設計会社を業者に選定させた上、同5月ごろ、同社取締役に着手金約7億3000万円のうち2億2000万円を籔本容疑者が全株式を所有するコンサルタント会社(港区)に送金するよう指示し、同8月上旬に実際に送金させて日大に損害を与えた疑い。 井ノ口容疑者は特捜部の任意の事情聴取に対し、「知らない」と関与を否定している