2022年9月10日。 ねこ森町では月の宴が行なわれます。 9月9日は重陽の節句でしたから、 前日の8日からずっと大賑わい。 夜にみんなで菊の花に着せ綿をして、 翌朝、露を吸った綿で全身を拭います。 厄災よ去れ。 老いはゆっくりと来よ。 穏やかな日常を願う猫たち。 お祈りが済むと重陽の宴が始まります。 ねこ森神社では葛の花が満開。 紅紫の花びらがほろほろこぼれ、 ふんわりと甘い香りが漂っています。 菊を浮かべたまたたび酒をひとくち。 長老猫がしんみりと呟きました。 「そういえば今年は五黄の寅であった」 ぴくん、と猫たちの耳が長老に向けられます。 とつとつと長老猫は語り出しました。 「今年は寅年であるが、五黄土星の年でもある」 長老猫が言うには、 五黄土星とは、地球そのものを表す年回り。 9年に一度巡ってくるのだという。 そしてこの星は力が強く、 「災いの多い年と言われておるのだ」と。 しん
