私達の研究グループは、アメリカの65歳以上の高齢者で17の外科手術のいずれかを受けた約98万人を対象とした大規模な医療データを用いて、外科医の誕生日に手術を受けた患者の死亡率が、誕生日以外の日に手術を受けた患者の死亡率よりも高いことを明らかにしました。同じ外科医に治療された患者を比較しても同様の結果で、誕生日に手術を受けた患者の死亡率は、誕生日以外の日に手術を受けた患者の死亡率よりも1.3%(リスク差)増加していました(リスク比で+23%の増加率)。これは臨床的にも無視できない意味のある差だと考えられます。 慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科の加藤弘陸特任助教(研究実施時はカリフォルニア大学ロサンゼルス校[UCLA]訪問研究員)との共同研究です。 着信音や医療機器のトラブル、手術内容とは必ずしも関係ない会話など、手術中の外科医の注意をそらすような物事は多く存在しているといわれています
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