-お通夜前夜- 金曜の夜、 奄美の親戚たちが家に集まって来てくれた。 その他、地元の親戚や近所の方たち、 会社で大変お世話になった人たち、 地元の特に親しい友人たちが、 自宅で静かに寝ている母の元へ、 葬儀場に入る前にご挨拶に来てくれた。 みんな口を揃えて言う。 『あんなに元気だったのに』 『未だに信じられない』 『とても綺麗なお顔ですね』って。 母は、目を開けることはないけれど 来てくれた人たちひとりひとりに 丁寧に御礼を言っているかのよう。 入院前、入院中、退院後。 沢山の人たちに親切にしてきた母。 めぐりめぐって、 母が与えた『まごころ』は、 こうしてわすられる事なくかえってきている。 悲しみの涙や、お別れの言葉を沢山いただいた。 -お通夜- 葬儀屋さんが到着、棺を運び込み 母の服(装束)を着替えさせ、メイクを施してくれた。 最期の親孝行、と言う事で、 片足ずつ、草履をはかせてあげた