先般報道された東京都目黒区での児童虐待死事件は、多くの国民の胸を引き裂く、じつに痛ましいものだった。私たちはこうした凄惨な事件に直面した際、何が問題で、果たしてどうすれば良かったのかを自問自答し、同じ過ちが繰り返されないよう改善への方途を探ろうとする。児童虐待はこの社会が抱える宿痾だが、少しでもその数を減らすべく、制度設計や法整備等の必要な措置を、政府と国会とが連携して進めてゆくことを期待したい。 ただ、そうした改善への動きが、明らかに間違った知識や考え方から行われようとしている場合、しかもそれがあろうことか与党所属の現役国会議員によって行われようとしている場合、やはりそれを座視することはできない。 “われわれ日本人が戦後壊してきた道徳感であるとか価値観であるとか、弱い者いじめをしないとか、力がある者は力の無いものに手を挙げない、暴力を振るわないとかっていうのが、当たり前にできていた日本人