大学生になれば、いままでとは違う新しい人間関係が始まる。恋人ができたりもするだろう。一人の大人として生活していくにあたって、性や多様性、人権に関する知識が必要とされる場面は格段に増える。しかし、こうした知識は十分に与えられてきただろうか。大学生たちは問題に直面して初めて無知に気づいているのが現状だ。性教育の環境が整わないなか、大学で性に関して学ぶゼミがある。東京大学では学生が自主ゼミを立ち上げた。(取材・文:岡本耀/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部) 都内の私立小学校に教員として勤める新垣ユウさん(仮名、27歳)は、大学3年生のとき、同級生とこんな話をした。 「妊娠の仕組みがわからない」 「彼が避妊をしてくれないけれどそれでいいのか。よくないと思う自分が間違っているのかわからない」 新垣さんたちが通っていた高校では、性教育は行われていなかった。保健の教科書のそのページは、先生が