2024年2月2日、毎日新聞「記者の目」に、「認知症と安楽死 コラムに反響 医学、哲学の前に福祉充実を」という記事が掲載された。これは、井上英介記者による「認知症と安楽死」問題を取り上げたコラム記事と、それに対する精神科医による寄稿文を含めた以下3つの記事の総括とも言える記事だ。 ①「安楽死は正解のない哲学」(毎日新聞2023年5月13日掲載) ②「『認知症になったら安楽死に』をどう考えるか~老いと死の臨床」(精神科医で都立松沢病院名誉院長の斎藤正彦医師の寄稿。毎日新聞「医療プレミア」同年7月1日掲載) ③「再論~答えのない安楽死」(毎日新聞同年8月12日掲載) 「記者の目」を含めた4つの記事は、様々な示唆に富んでいる。 筆者は昨年後半、実父を在宅で、認知症がある被後見人を施設での看取りに関わった。そうしたこともあって、前述の4つの記事にはいろいろなことを考えさせられた。ここで改めて、「死