原発反対論に思う 発生以来1ヶ月が経過したのに、福島第一原発の事故は一向に収まりそうにない。発電所自体の事故収束はいつなのか、放射能の拡散はどのくらいなのか関連地域の住民の不安、不信は大きくなる一方である。 当然予想されたように、原発反対の意見が勢いを増している。ここで注意したいのは、原発をこれまで容認していた人たちも、決して手放しで全面的に賛成していたわけではない、ということだ。つまり、我々の日常生活に必要な電力需要確保のために原発なしではエネルギー政策は成立しないと考え、多くの人たちは原発に消極的に賛同していたのだ。 この視点で考えると、原発反対論に欠けているのは、次の2点である。 第1に、仮に原発を認めないとして、代替の電力エネルギーをどうするかの議論である。皆が期待する太陽光、風力などはまだ安定した電力供給とは成りえない。 水力も頭打ちである。となると石油、石炭などの化石燃料に依存
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