エリザベス2世女王が2008年に、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の教授に世界的な金融危機について質問したことはよく知られている。「なぜ誰も予測できなかったのか」。チャールズ3世が今日、母親と同じ道をたどるとすれば、確実に似たような質問をするだろう。ただ今回は高インフレについてである。 これはいつになく差し迫った質問だ。その理由はふたつ。第1に、最近のインフレ率が40年ぶりの水準に急上昇する前は、先進国の多くの中央銀行は圧倒的に、低インフレの方を懸念していた。第2に、中銀当局者は自信を持ってインフレが一時的なものであると主張し、価格が急速に上昇したにもかかわらずインフレを抑制することができなかった。引き金となった出来事(特にパンデミックと、ウクライナでの戦争による貿易と生産の混乱)は、供給サイドに由来する。これらは金融政策の範疇に入らないと見なされていた。しかし、引き金とな

