2017年10月19日のブックマーク (1件)

  • 追憶の上の王様 - おのにち

    昔昔その昔、指輪をお断りしたことがある。 場所はスキー場のリフトの上だった。 行き場を無くした指輪は送り主の手によって崖下へ投げ捨てられ、白い雪が積もって見えなくなってしまった。 思いがけない出来事の記憶というのは忘れられないもので、風が冷たくなるとあの指輪のことを思い出したりする。 あれはまだ十代の、免許取りたての頃。 当時ブームだったスノーボードにハマっていたのだけれど、まだ車の運転に自信がなく、高校時代の友人に同乗させてもらうことが多かった。 そうやって乗せてもらううちに、自然と男女混合のスノボグループみたいなものが出来上がってくる。指輪をくれた彼はそのメンバーの中の一人だった。 しかし何度も同じ車に乗り、何度も一緒に滑ったのに、実は彼とはほとんど話した記憶がない。 席が離れていることが多かったし、こちらから声をかけても返ってくる返事はハイかイイエくらい。 無口なのか、あるいは私のこ

    追憶の上の王様 - おのにち
    ssachiko
    ssachiko 2017/10/19
    小野さんの表現はとても綺麗で好き。