エムエムナイン MM9 山本弘 東京創元社 1600円+税 我々の世界と細部までそっくりだが、昔から怪獣がごく当たり前に存在してきた世界。時おり出現する巨大怪獣の人口密集地襲撃により、しばしば多くの犠牲者が出ている。この世界では、怪獣による被害は地震や台風と同様、自然災害として認知されている。 そんな世界の日本で、「怪獣災害」に立ち向かっているのは、気象庁の中の1セクション、気象庁特異生物対策部(気特対)である。 彼らは銃の一発も撃ちはしない。怪獣と戦うのは自衛隊の役目だからだ。その代わり、怪獣の出現の報があるや現地に飛び、正体の解明、対処法の検討、進路の予測など、災害を防ぐための活動を行なっている。 時には予測をはずして犠牲者を出し、世間から非難されることも多い、割の合わない仕事だ。しかし、彼らの活動によって多くの日本人が救われているのだ。 MMとは「モンスター・マグニチュ