広島県のマツダ工場で、従業員らが乗用車にはねられ、12人が死傷した事件で、マツダの元期間社員、引寺利明容疑者(42)=殺人未遂容疑などで逮捕=が「マツダで働いているときに物を盗まれた」と供述していることが25日、捜査関係者への取材で分かった。マツダに勤務していた当時、県警に「誰かが自宅に侵入している」などと相談していたことも判明。広島南署捜査本部は、事実関係や当時の引寺容疑者の心理状態について慎重に調べている。 捜査関係者やマツダによると、引寺容疑者は今年4月、事件現場のマツダ宇品工場で、期間社員として実質8日間勤務。調べに対し、この時期に「自分のロッカーの中から物が盗まれた」と供述している。 一方、同時期に自宅近くの警察署に「誰かが自宅に侵入している。盗聴器を仕掛けられた」などと申告。警察官が引寺容疑者宅を訪れたが、被害は確認できなかったという。 引寺容疑者はこれまで、「マツダに恨みがあ