「家に帰ると配偶者(たいていは妻)が、子供とともにいなくなっている」というケースは、離婚事件では、よくある。離婚紛争に至る経緯は、むしろ、このパターンが一番多い。 夫が、「ああ、やっぱり出て行ったのか」と思うケースは少数で、たいていは、びっくりする。つまり、なぜ、出て行ったのか理解できないのである。 このケースで、逆に家出した妻から相談を受けた場合、一番多いのが、「夫は自分の考えを押しつける」というものである。 最初の頃は、反論していたが、いくら言っても自分の考えを変えないから、最後は折れる。これを繰り返していくうちに、「この人には何を言っても無駄だ」と考えるようになり、もう反論することなく、ただ夫の考えに従う。そのうち、我慢も限界に来て、「こんな夫の精神的DVを受け続けるくらいなら、まだ子供と一緒に安アパートで貧しい生活を送ったほうがいい」と考え、家出を決行する。 ただ、夫には、妻とは正