ブックマーク / jtsutsui.hatenablog.com (5)

  • シンプソンのパラドックスの図解 - 社会学者の研究メモ

    まず、シンプソンのパラドックスというのは以下のような状態のこと。新薬の旧薬に対する生存率の優位性を考えてみましょう。 死亡 生存 旧薬 600 500 新薬 900 100 これだけみると、旧薬生存のオッズは0.83、新薬生存のオッズは0.11、オッズ比0.13で新薬の方が圧倒的に死亡しやすいということになります。ここで第3の変数である性別を導入し、層別分割表を書いてみると... 女 死亡 生存 男 死亡 生存 旧薬 100 5 旧薬 500 495 新薬 890 88 新薬 10 12 となり、女の新薬生存のオッズ比は1.98、男のオッズ比は1.21となり、どちらもプラスになります。男女の区別なくデータを見たときは新薬が不利だったのが、男女別にすると新薬が有利になるため、パラドックスと呼ばれています。なぜこれが生じるかというと、男女で薬の効き方の方向は同じ(プラス)だが、全体的に死亡率の

    シンプソンのパラドックスの図解 - 社会学者の研究メモ
    ssuguru
    ssuguru 2018/03/28
    統計のマジックなんていうレトリックがあるけど、男女の変数を入れただけで新薬と旧薬の優劣が逆転する様はまさにマジックを見せられているようだわ。
  • 社会学における「理論の実証」 - 社会学者の研究メモ

    (以下は二〜三カ月前に書いたメモですが、寝かせておいてもあまり意味がなさそうだし、稲葉先生もシノドスの論考を公開されたのでいいタイミングだと思うのもあり、ちょっと手を入れた上で公開します。) 社会学の問いの特徴 私は、学部のゼミでは(大学院でも基的にはそうだが)、いわゆる「標準的な研究プロセス」に従って個人研究をするように指導している。標準的な研究プロセスとは、問いを立て、それに対する理論仮説をデータ(質的・量的)で検証するという手続である。 その際、しばしば「社会学的な問いの立て方」というものを説明する必要が出てくることがある。学生は基的に社会学の授業をいくつか受けているので、そうしたほうが効率がよいからである。それに、意外に「社会学的な問いの立て方」を説明するのは簡単なのだ。 それは、「注目する現象/人間行動が、性別、年齢、学歴で違いを持つかどうかをまず考えてみたら?」というもので

    社会学における「理論の実証」 - 社会学者の研究メモ
    ssuguru
    ssuguru 2012/09/27
  • 説明と選抜:統計学における2つの「関心」 - 社会学者の研究メモ

    社会学者や経済学者にとって、統計学をベースにした計量分析とは、何かを因果的に説明する道具であるという側面がある。賃金を学歴で説明するというとき、それは他の条件が同じで学歴が変化したときの賃金の変化量を推定する、という意味である。 (記述的な分析手法を含めて)統計学を学ぶ人のほとんどは、この「説明(explanation)」のためにそれを学んでいるのだと考えられる。 しかし統計学には、それとは全く異なった目的が託されることもある。それは「選抜(selection)」である。統計学を選抜に使うというのは、それをアカデミックに活用している研究者からみても、実はあまり馴染みのない考え方である。というのも、あとで詳しく述べるが、選抜は学問的説明とは相容れない考え方だからだ。 しかし選抜は、実践家においては大いに意味がある考え方である。「限られた回数の耐久力テストの結果から、真に優れた個体を選抜する」

    説明と選抜:統計学における2つの「関心」 - 社会学者の研究メモ
  • 反事実的状況のマクロシミュレーション - 社会学者の研究メモ

    (授業やら会議やらでバタバタ気味で、誤字などある可能性もありますが、とりあえずあげておきます。) 性別賃金格差の研究では、しばしば「男女の◯◯構成が同じだと仮定すれば賃金格差は△△だけ縮小する」といった、マクロレベルでの反事実的状況の想定が行われている。マイクロデータを使った研究では因果志向の推定モデル(回帰分析は一般にそうだが、ヘックマンのセレクションモデルや各種パネルモデルが典型だろう)が試みられるが、データの蓄積の面からも、マクロデータの活用方法が工夫されることへの要請は小さくないといえる。 利用の蓄積が多いのはブラインダー・ワハカ分解だろう*1。様々なところで解説がされているので詳しくは説明しないが、男女それぞれの賃金関数を 男性賃金=ΣβmXm+ε 女性賃金=ΣβfXf+ε とする。βmは個々の要因の男性における係数、Xmは要因の観察値である(女性についても同様)。この式を、差を

    反事実的状況のマクロシミュレーション - 社会学者の研究メモ
    ssuguru
    ssuguru 2011/11/06
    わかんないけど、面白いわー。
  • 計量分析におけるミクロとマクロ - 社会学者の研究メモ

    このエントリは関心のない人は読まない方がいいかもしれません。(頭が痛くなるわりにそれほど重要な話でもないので。) 計量分析の世界では、しばしば「性別」や「学歴」が個人レベル変数で、たとえば国の特徴を表す変数(「社会支出のGDP比」など)がマクロ変数だと考えられています。結論から言えば特に問題はないのですが、ではどうして後者がマクロ変数なのかと考えはじめると、意外にややこしい説明が必要になります。 しばしばなされる説明は、マクロ変数は「集団の特性」を示す、というものです。たとえば教育社会学でしばしば利用される学校データだと、個人の特徴(性別、出身家庭のSES、エスニシティなど)に対比して学校レベルの特徴(生徒数、男女比、公立か私立か、学校の人種構成など)がマクロである、と理解されています。 しかしここで「集団の特徴だとマクロレベルだ」と考えると、性別やエスニシティがなぜミクロレベルなのかがう

    計量分析におけるミクロとマクロ - 社会学者の研究メモ
    ssuguru
    ssuguru 2010/05/14
    「まとまっていること(によって影響を及ぼし合い、観測不可能な影響を与えていること)」自体から発生する効果を想定できる分け方(大卒者など)に対応する特徴(学歴など)をマクロ変数と呼ぶことがあり、
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