東京電力福島第1原子力発電所で復旧作業にあたっている東電社員2人が、緊急時の上限250ミリシーベルトを超える被ばくをしていた疑いが強まった。しかも、放射性物質を体内に取り込む「内部被ばく」が大半とされる。取材に応じた作業員らの証言からは、現場の汚染がひどく、対策が追いついていない実態が浮かぶ。労災問題の専門家は「このままでは健康被害が深刻化する」と警告している。【町田徳丈、池田知広、日下部聡】 「放管」。作業現場に元請け会社などから派遣される「放射線管理員」はそう呼ばれるが、下請け会社のベテラン作業員(64)は「最近、放管が来ないケースが増えている」と話す。 放管は、作業員が過度の被ばくをしないよう現場で放射線量を計測し、平常時なら汚染レベルの高い区域での作業には必ず同行していた。だが、今は朝のミーティングで元請けから前日の調査結果を知らされるだけで、放管が同行しないこともしばしばという。
文科省職員(手前)に子供の20ミリシーベルト基準の撤回の要望書を涙ぐみながら読み上げる福島から来た親子=東京都千代田区の文科省前で2011年5月23日午後1時39分、木葉健二撮影 東京電力福島第1原発事故で、学校の屋外活動を制限する放射線量を年間20ミリシーベルトとした文部科学省の基準は甘すぎるとして、福島県内の父母ら約650人が23日、東京・霞が関の文科省を訪れ、撤回を求める要請文を提出した。同省科学技術・学術政策局の渡辺格(いたる)次長は「最終的には1ミリシーベルトを目指して努力する」としたが、撤回の意思はないことを改めて示した。 父母らは小雨の中、文科省前で約2時間にわたって「子どもの安全は保障できるのか」「大人と子どもの影響は違う」などと訴えた。福島市飯野町の斎藤夕香さん(38)は「基準を巡っては学校現場でも判断できない状況が起きており、撤回してほしい」と話した。 文科省の基準は国
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