18歳のわたしへ 〜28歳のわたしより〜 ひといきつくる ◯18〜19歳のころのわたし センター試験に失敗しました。 『スピンアトップ・スピンアトップ』『フェーヤー?フェーヤー・・・・・・チョッ!』が悪かったと、出題された牧野信一の『地球儀』を恨んだ。今までやってきたことは何なんだったのか。実際には、高校入学当初から続き、特にこの1年間は拍車をかけてじりじりと感じ続けていた「勉強して、結果を出していかなければならない」という空気感に押しつぶされていた。気…
いかにも何か大事なことが書いてありそうな本。やわらかな質感の桃色の表紙に、ミントグリーンの太い帯が巻かれたその本を書店で見た時、まずそう思った。本の名前は『うしろめたさの人類学』。著者はエチオピアでのフィールドワークを続けながら、文化人類学を研究している松村圭一郎さん。個人的な感情である「うしろめたさ」と人類学が、どう結びつくのか。帯を見てもわかるようなわからないような……だったけれど、本の放つ説得力に押されて、読み始めた。 松村圭一郎『うしろめたさの人類学』(ミシマ社) エチオピアには物乞いが多い。街にいると手足のない障害者や子供を抱きかかえた母親が近寄ってきて、手を差し出されるという。松村さんがまず「うしろめたさ」を感じたのは彼らに対してだった。圧倒的に豊かな日本で暮らしている私たちに向けて差し出される、細い彼らの無数の手。エチオピアに行ったことはないけれど、それがどんな気持ちかは想像
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