綾瀬市は今年度、畜産農家が使用する飼料用米の耕作や販売、購入に対する独自の補助制度を創設した。国と県にも同様の制度はあるが、自治体独自の上乗せ補助は県内初。背景には輸入に依存する配合飼料の価格高騰と地域で拡大する休耕田への懸念がある。 国際情勢の影響を受けて輸入配合飼料の価格高騰が深刻さを増している。そうしたなか綾瀬市は昨年度、同市吉岡の水田で飼料用米の試作を見守った。この試作には地元のコメ農家と畜産会社が参加。約5千平方メートルの休耕田に専用品種「夢あおば」を作付けし、1・78トンの飼料用米を収穫した。 これを受けて市は今年度、飼料用米の耕作に向けた機械と種の購入、荒廃農地の復元にかかる費用の半分を補助。加えて飼料用米の販売に玄米1キロ当たり30円、それを購入する畜産農家にも同3円の購入費補助を実施する。 国や県の補助制度に市の上乗せ分を合わせると、主食米の耕作と同等またはそれ以上の収入