長い髪と力強い目が印象的な前川裕奈さん(34歳)。慶應大学法学部卒、早稲田大学院で修士号取得、三井不動産や国際協力機構(JICA)勤務を経て外務省の専門調査員として海外駐在するなど煌びやかな経歴を持つ。 そんな華やかさとは裏腹に、20代の頃には過食と拒食や過酷なダイエットを繰り返し、「やせなきゃ」という思いに縛られていた。その経験から、駐在先のスリランカでルッキズム(外見至上主義)を問題提起したいと考え、退職後にフィットネスウェアのブランド「kelluna.(ケルナ)」を立ち上げた。 彼女がルッキズムと戦い続けるのは、なぜなのか。その理由を探った。 ――著書『そのカワイイは誰のため? ルッキズムをやっつけたくてスリランカで起業した話』(イカロス出版)の表紙を見た時、「なぜ、この綺麗な人がルッキズムと戦っているの?」という疑問を持ちました。 前川裕奈(以下、前川):私はプラスサイズ体型ではな