参加閣僚に「はるかに霧が晴れてきた」といくらその成果を強調されても、いまひとつ進捗状況がつかめないTPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉。具体的な情報が公開されるわけではなく、よくわからないというのが実感ではないだろうか。 それはさておき、21に及ぶTPPの交渉分野のうち、農産品の関税撤廃とならび「参加国間に大きな隔たりがある」とされていたのが知的財産の分野だ。アメリカのNGOによって流出した内部資料は、アメリカが同分野を最重要課題と位置づけており、なかでも著作権の保護期間を、他国もアメリカ並みの「著作者の死後70年」へと延長することが譲れない最低ラインであることを明らかにした。 その知財分野において「交渉国間の溝が埋まった」とする見方が増えている。5月中旬には「著作権保護期間は死後70年に統一の方向で調整中」とする一部報道もあった。併せて、日本がアメリカに戦時加算――著作権の保護