ピュリツァー賞を3度受賞したニューヨーク・タイムズ紙の看板コラムニストが、中国、インド、日本、欧米諸国の緻密な取材を基に、世界で起きている「地殻変動」を解き明かした。IT(情報技術)の発展がインドや中国に競争力を与え、先進国の仕事を奪いつつある一方で、知識やアイデアが共有されることで、世界中のあらゆる場所で技術革新が起きている。著者はこうした現象を「The World Is Flat(世界はフラット化している)」という言葉で明快に表現した。フラット化した世界では、先進国の人々は何をすべきなのか、国家や企業はどう対処すべきかを指南している。 ――『フラット化する世界』を刊行するに当たって、どのような読者層を念頭に起きましたか。 まずは娘のため、つまり、今後を生きる子供たちのためです。次に何がチャンスで何がリスクかを知っている産業界の人々。最後に政治家です。我々がどんな世界に住んでいるかを認識