10年ほど前、バイオ燃料の製造拡大を模索していた石油会社から誘われ、モザンビークに調査に出かけた。この調査が、同国に本格進出するきっかけになった。 モザンビークは人口約2798万人(2015年、世界銀行)で、国の開発の度合いを示す国連開発計画(UNDP)の人間開発指数(HDI)は、2015年時点で調査対象の188カ国中181位(日本は17位)。電化率は2013年時点では39%(USAID、米国国際開発庁)で、農村部は26%にとどまっている。世界の最貧困国の一つだが、近年は、天然ガスの開発や農業生産などで投資対象としても注目が集まっている。 日本植物燃料は2012年、モザンビークで現地法人(Agro-Negócio para o Dezenvolvimento de Moçambique、以下ADM)を立ち上げ、現地での事業展開を始めた。拠点は南北に伸びるモザンビークの中でも最も貧しいと言わ