82年生まれ、キム・ジヨン 作者:チョ・ナムジュ 筑摩書房 Amazon ★★★★ 2015年秋。33歳のキム・ジヨンは3年前に結婚し、昨年、女の子を出産していた。夫は3歳年上で中堅のIT企業に勤めている。キム・ジヨンは1人で子育てをしていたが、あるとき、解離性障害のような症状が現れる。物語はキム・ジヨンの生い立ちから現在までを追うのだった。 「あのコーヒー、一五〇〇ウォンだよ。あの人たちも同じコーヒー飲んでたんだから、いくらだか知ってるはずよ。私は一五〇〇ウォンのコーヒー一杯も飲む資格がないの? ううん、一五〇〇ウォンじゃなくたって、一五〇〇万ウォンだって同じだよね、私の夫が稼いだお金で私が何を買おうと、そんなのうちの問題でしょ。私があなたのお金を盗んだわけでもないのに。死ぬほど痛い思いをして赤ちゃんを産んで、私の生活も、仕事も、夢も捨てて、自分の人生や私自身のことはほったらかして子ども
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