海外の小説には疎いので、杉江さんはじめ書評家の方々が紹介されていた作品から興味を惹かれたものを読んでいます。そこで個人で良い翻訳小説を見つけるにはどうすればいいでしょうか? 一般読者の立場からの方法でも、杉江さんが読みたい本を選ぶ際の方法でも構いません。 書評家もぜひ信頼してもらいたいですが、個人でやられるとなると、芋づる式をお勧めします。とにかく一冊、おもしろい本を見つけたら、そこで止めてしまわないで手づるを見つけることです。具体的には三つの道筋があると思います。 その一。 翻訳者でつなげてみる。 自分で訳したい本を選べる翻訳者は多くありません。しかし、実力を認められるようになれば、編集者のほうでおかしな本をその人に回さなくなります。つまり、いい翻訳者の周囲にはいい作品が集まってくるのですね。 お名前を少し挙げると、主流文学の分野では柴田元幸、岸本佐知子、ジャンル文学で田口俊樹、