全日本空輸(ANA)で2023年4月3日に発生したシステム障害は、50便以上が欠航するなど利用客に大きな影響を与えた。ANAが4月7日に開いた記者会見によると、データベースに「予期せぬエラーが発生」し、「フリーズ」状態になったのが原因だという。 エラーの発生はデータベースのバグに起因するもので、それを是正するパッチ(修正プログラム)は既に提供されていた。日経クロステックの記事によれば「同社はシステム構成上パッチ未適用でも問題ないとみて適用を見送っていた」という。 なぜパッチは適用されなかったのかを考えてみたい。 運用で回避しきれるか ANAのデータベースが抱えていたバグは、パラレルクエリーに関するものだ。パラレルクエリーはSQLを並列化して実行し、照会処理のパフォーマンスを向上させる機能である。同社の資料では「複数のデータ抽出処理を並列で同時に実行することによるデータベースの偶発的なエラー