過去7年分の決算を訂正し、利益の減額は税引き前損益で合計2248億円に──。組織ぐるみで不正な会計操作をしていた実態が明るみに出て、歴代社長3人が辞任する事態に至った東芝の会計問題。日本を代表する“名門企業”で発覚した不祥事に、日本の産業界は依然として震撼している。 同様の不祥事の再発を防ぐにはどうしたらいいのか。一橋大学大学院国際企業戦略研究科の野間幹晴・准教授は「経営者の報酬のあり方を変えることが突破口になる」と主張する。同准教授の持論を伺った。 (聞き手は中野目 純一) 再延期された東芝の2015年3月期の連結決算がようやく9月7日に発表されました。同時に発表された過去7年分の決算の訂正で、利益減額の総額は当初の予想を大きく上回る2248億円(税引き前損益)に膨らみました。第三者委員会の報告書やその後の報道で、同社が組織ぐるみで不正な会計操作をしていた実態も明らかになってきています。