コロナ禍によって、我々は食文化全般に対して一時的に混乱する この記事の取材は世界規模のコロナ禍が始まる前(2020年明けすぐ)に行われ、原稿は6月30日に書かれたものだが、現時点での筆者の見通しでは、この禍は外食産業、自炊、宅配、配給制、と、世界中の食文化をーー恐らく、だがーー望むと望まぬとに関わらず、小さく、しかし根本からリセットするのではないかと思われる。 「ミシュラン20東京は出版されるかどうか?」「どの店舗が生き残り、どの店舗が閉店を余儀無くされたか?」「新たな繁盛店はどこに?」といったリージョンの話は、むしろ、ほとんどの市民にとっては物見遊山であろう。「小さい、しかし根本からのリセット」は、いつまでに完了するかは分からない。しかし、確実なのは、我々が食文化全般に対して、一時的に混乱することだけは免れない。という事実に尽きる。 行きつけの店を失った者、行きつけの店がやっと営業再開し