「もし今後、うちの本が予算を削られたりなんかしたら、俺はどうしてもつきあいの長いライターのほうを選ばざるを得ない。君はまだ若いから、今のうちにほかにも書く場所を見つけておいてほしい」 お酒を飲みながら、あるエロ本の編集長に言われた言葉だ。「この船は沈むかもしれない。きみは死なないように逃げて生きのびろ」って言ってるように聞こえた。帰って少し泣いた。 「エロ本を読む読者層って、高齢化してるじゃない? 俺と同世代の奴らも読んでると思うんだよね。だったら、俺は墓場までそいつらにつきあってやるよ」 これは、老舗でまだ売れ続けているエロ本の編集長の言葉だ。この人の編集は生きながらにしてすでに伝説になっている。発狂しそうな企画や言葉を思いつく人。 不況なのはほんとなんだろう。出版不況なのも、エロの世界が不況なのも本当なんだろう。だけど、それが、どうしたっていうんだと思う。 覚悟を持ってエロ本作ってる人