大規模なソフトウェア開発では、当然そのモデルは複雑なものになってきます。複雑なモデルを効率良く作成するためには、どのようなモデルを作成するのかだけではなく、どのような手順でモデルを作成するのかといったノウハウがとても重要です。このノウハウを定型化した技術が開発プロセスです。 UMLは単なる言語なので、これだけではどういったモデルを作成すべきかが見えません。UMLに加えて開発プロセスの技術を用いることで、どのようなモデルを作成しなければならないのかが明確になってきます。 オブジェクト指向技術の開発プロセスにはいろいろな提案がありますが、ここではUnified Process(以下UP)をベースにし、リファレンスモデルとして使用します。 ■■4.1 イテレーションとフェイズ■■ UPの特徴の1つは、「イテレーション(iteration)」と「フェイズ(phase)」の2段階を組み合わせた、反復