近年、スマートフォンや従来の生活機器の高度情報化によって、様々な場面で高度なサービスを受けられるようになった。スマートフォンにおける位置情報を用いたレストランのリコメンドサービスなどは利用したことがある人も多いだろう。これは、よく利用する場所・ユーザの好みを観測・分析しサービスの品質向上を行ったサービス工学の一例だといえる。 共通基盤技術の整備が進むにつれ、お客さまへのサービスの部分に競争領域の比重は移っていく。不特定多数の利用者がいる中でどのようにおもてなしをすればよいか、その設計指針が必要である。今回はその解決策であり、センシング技術とデータマイニング技術により実用性のある研究成果が多く報告されているサービス工学に着目したい。 サービス工学とその背景 サービス工学とは、サービスを科学的・工学的によって捉え、よりよいサービスの設計や評価を行うことを目的とした方法論だ。一般的に、サービスに