はじめに Googleが提唱するSREプラクティスの一つにトイルの削減 1 があります。トイル (toil) という言葉は日本語であまりなじみがありませんが、「苦労する・こつこつ働く」といった意味合いがあります。 SREにおけるトイルの定義は、原典とも言える書籍 SRE サイトリライアビリティエンジニアリング 内で次のように定義されています。 トイルとは、プロダクションサービスを動作させることに関係する作業で、手作業で繰り返し行われ、自動化することが可能であり、戦術的で長期的な価値を持たず、作業量がサービスの成長に比例するといった傾向を持つものです。 本記事では、システム運用におけるトイルの定義を再確認し、トイルを削減する上での実践的なノウハウの一例を紹介します。 トイルの定義 SRE サイトリライアビリティエンジニアリング では、次の分類に1つ以上当てはまるような業務はトイルとなる性質が