世界で最も重要な現役音楽家の一人。テリー・ライリーをそう呼ぶことに、異を唱える人は少ないだろう。 1935年、カリフォルニア州コルファックスに生まれたライリーはサンフランシスコ州立大学とサンフランシスコ音楽学校を卒業後、インド古典声楽の巨匠パンディット・プラン・ナートに師事。スティーヴ・ライヒやラ・モンテ・ヤングとも交流しながら、即興演奏とミニマリズムを基調とする独自の音楽性を創り上げていく。 1960年代の音楽革命『In C』『ア・レインボウ・イン・カーヴド・エアー』1964年に発表された『In C』はハ長調を基調に、53の独立したフレーズを異なった位置から開始、反復するという曲で、音楽におけるミニマリズムを世界に知らしめた。ライリーはこの曲の演奏者数について「35人ぐらいが望ましい。だが、それより多くても少なくても構わない」、演奏時間については「45分から1時間半が目安だが、それよりも