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ブックマーク / yashio.hatenablog.com (4)

  • 「安定した政権は全て良い政権である」という感覚 - やしお

    「安倍首相をどうして支持するのか」という実感を綴った記事が非常に面白かった。 安倍総理は何故ここまで叩かれるんだろう - えすけーぷ37のブログ 支持者の内在的なロジックは非支持者からは極めて見えにくい。それが一定程度可視化された点で貴重であり興味深い。記事のおよその論旨は以下の通りだった。 長期政権は、政策が評価されたことの結果である。 外交・内政(経済)ともに一定の成果はあった。 各種疑惑(森友・加計・桜)は首相主導ではなく外在的なもの。 疑惑を野党が追求するのは、他に政権を叩く材料がないため。 仮に不正があっても些末なことで問題ではない。国益に叶う仕事をする者が良い政治家である。 ここには大きな特徴が二つある。 一つが「具体的なデータや論拠は提示されない」という点。一切が印象に基づいて構築される。「あくまでも一般人の肌感覚的評価です。」という一文は、そうした姿勢の自己言及として象徴的

    「安定した政権は全て良い政権である」という感覚 - やしお
  • 映画『家族を想うとき』が冷静に見られなかった - やしお

    ケン・ローチ監督の『家族を想うとき』(Sorry We Missed You)は、どうしようもなく個人的な記憶が喚起されて冷静に見ることが難しい映画だった。忘れていた、完全に忘れていたわけではないけれど、日常的に意識したり思い出すことの少なくなっていた「お金がないと余裕がなくなって日常がキリキリと苦しくなっていくあの感覚」がよみがえって、12年前の両親との暮らしの記憶が一気に立ち現れて冷静でいられなくなるのだった。 (この映画は「ネタバレ」とは無縁のお話だとは思うけれど、内容について以下で触れているので一応ここで断っておく。) イギリスで暮らす一家の日常が描かれる。ホームレスにはならない程度の貧困にあえいでいる。父親は配送ドライバー、母親は訪問介護の職業に就いている。職にあぶれている訳ではなく、二人とも真面目に働いているし職業意識も高い。15歳くらいの長男は友人グループとのグラフィティにハ

    映画『家族を想うとき』が冷静に見られなかった - やしお
  • 差別が解消されるプロセス - やしお

    差別の解消は、常識の置き換えのプロセスなんだと思っている。 反差別に対してよく見かける批判・否定のパターンがある。目くじらを立てすぎだ、息苦しい、むしろ逆差別だ、差別をかえって助長している、といった反差別に対する色々な否定のされ方も「常識の置き換えプロセス」の段階と考え合わせることですっきり理解できるんじゃないかと思っている。あるいはアファーマティブアクションやポリティカルコレクトネスといったものの位置付けもはっきりしてくる。 差別の常識と反差別の常識が置き換わっていくとき、いきなり100:0から0:100へ切り替わるのではなくその間には優劣の推移がある。 ここでは以下を整理してみたいと思う。 差別や常識の性質 各段階でどのような光景になるのか 自尊心や笑いや罵倒と差別の関係、アファーマティブアクションやポリティカルコレクトネスと段階の関係 差別の要件 ここでは差別を、「ある属性に対する不

    差別が解消されるプロセス - やしお
  • 「感動ポルノ」と『聲の形』、「俗情との結託」と『君の名は。』 - やしお

    アニメ映画の『聲の形』が「感動ポルノ」と批判されているのを見かけて、それは違うんじゃない? むしろ『君の名は。』の方が感動ポルノにずっと近いのでは、と思った。同時に、感動ポルノという言葉より、60年以上前からある「俗情との結託」という言葉で考えた方がより正確に捉えられるとも思った。(「欲情」ではなく「俗情」です。) その辺を、差別って何なんだろうかという点も含めて一度整理しておこうと思って。 感動ポルノ、差別、俗情との結託のスコープの違い 俗情との結託:通念を無批判に肯定することで作品を成立させること 差別の構成要件:現実に人を不当に苦しめている通念を、無批判に肯定すること 感動ポルノ:障害者(あるいはマイノリティ)への差別意識を内在化させた上で、受け手の気持ちよさを成立させること だとすると、こういう包含関係になる。 ここで「作品」とは、単独の作品でも複数の作品群でも構わない。 感動ポル

    「感動ポルノ」と『聲の形』、「俗情との結託」と『君の名は。』 - やしお
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